今回は国語だ。
この国語という教科ほど、勉強しづらい教科はない。
国語の予備校講師や学校の先生という人種は昔から国語が得意だったし、現在も進行形で国語を愛しているから
「国語は簡単だ」
「国語は文中に答えがあるだろ」
「国語はセンスじゃない。解き方があるんだ!」
と、いったことをぬかすわけだが、いいや正論はそうだろう。
しかし、受験勉強においては、国語のセンスがあるやつは有利だし、過去に鬼ほど文章に触れてきた人間とそうでない人間とでは雲泥の差が出てしまう。
言葉も知らない
語彙力が無い
活字を読むのに慣れていない
そんな受験生に、「文中に答えがある」「解き方を学べば解ける」なんていったって無理なもんは無理だ。
バットを持つ握力すらない子供に、ヒットの打ち方を教えるようなもんだから。
繰り返し言う。
国語は勉強するのは難しい。
しかし、安心してくれ。勉強法が無いわけではない。やれば確実に成果が出るのだ。
ただ多くの受験生は正しい国語の勉強方法を知らずに闇雲に問題集を解く。そして、結果が出ているかどうかもわからず模試を受けて一喜一憂するのだ。
君にはそんなバカなことはしてほしくない。
今回は、国語という現在の実力が計りにくい特性上、
君が「国語が全然できない、偏差値40程度の生徒」という前提で勉強のスケジュールを立てたいと思う。
8~10か月で難関大学に合格できるスケジュール【国語編】
私が現役受験生の時の国語の勉強法はあまり参考にはならないかもしれないし、
ここ数年で劇的に素晴らしい参考書・問題集が出版されているので、自分の経験をカスタマイズしてお話したいと思う。
そして、最初に話しておく。
裏ワザなんて存在しない。
小手先のテクニックやノウハウに傾倒するばかりに、出題形式が少し変わるだけ点数が取れなくなったり、特定の大学にしか通用しないようなノウハウは身に付けないでほしい。
この記事を読んでいる君には、「本当の国語力」を習得してほしいと考えているからだ。
ここで、言う、本当の国語力とは、
語彙力
読解力
この2つだ。極論だが、この2つを突き詰めれば、大学受験の現代文で解けない問題はほぼないだろう。
特に難関大学になればなるほど、語彙力のある受験生は有利になってくる。
この2つを意識して勉強スケジュールを立てて欲しい。
※余談だが、ではなぜ裏ワザ系の本がたくさん売っているのか?
それは、売れるからだよ。
7月までのスケジュール
7月中はとにかく語彙力をつける。
活字になれる。
4~7月の期間は意識的に語彙を増やしてほしい。
そもそも昔から本をたくさん読んでいて、現代文が得意な受験生というのは語彙力が圧倒的に多いのだ。
例えば、辟易という言葉にしても
辟易という言葉の意味が説明できなかったとしても、小説の中で、連続殺人事件の捜査をしている刑事が犯人から挑発され、身元を突き止めようとするも、なんら手がかりを得ることができず、連日の徹夜と張り込み調査に辟易している。
といったような文を過去にたくさん読んでいるので、「辟易」の意味がなんとなくわかるのだ。
これが、現代文が得意な受験生の秘密の1つである。
だから、とにかく語彙力をつけることを意識して暗記してしまおう。
■入試現代文頻出語700
この現代文キーワードの使い勝手の良さは、無駄に説明が長くないところだ。
赤いシートを使って、機械的に言葉の意味を暗記することができるので是非最初の1冊に活用して欲しい。
多くの現代文キーワード集は、説明がやたらめったら長くて、単語を暗記するためのものではなく、説明を読む物になってしまっている。
(さすが国語の先生達、話が長い。)
このキーワードを1日10個など決めて、グルグル暗記を繰り返してほしい。
■国語辞典
国語辞典は紙ベースのものを使おう。
近年、電子辞書が普及しているのでパパっと調べることができてしまうが、紙ベースで何度も何度も引いた方が頭にも残る。
本当に調べたい単語の周辺単語も嫌でも目に入ってきてしまうからだ。
「そんな時間もったいないよ!」
と、考える受験生もいるかもしれないが、焦らなくていい。この調べる時間が血となり肉となる。
現代文キーワードや学校の教科書などで、わからない用語、明確に意味を説明できない語があったら全部調べるようにしてほしい。
例えば、二次的、派生的という言葉があったとしよう。
なんとなく意味はわかるかもしれない。
それでも辞書を引いてみて、意味を調べるのだ。
試しに調べてみると、「派生的」という言葉次のような意味だ。
○[形動]分かれ出たさま。本源的でないさま。「―な意味」
もうお気づきの受験生もいるだろう。
すると本源の意味が気になってくるわけだ。そこで本源の意味を調べる。
○物事のおおもと。みなもと。根源。
なるほど、なるほど。
となるわけだ。このように、語彙を調べていくことによって、自然と語彙力が増えてくる。日東駒専だったら、派生的に反対語を選ばせるような問題も多く出題されるかもしれない。
現代文キーワードを暗記しながら、頻繁に国語辞書を引く癖をつけるだけでも
国語力は格段にアップする。
ラスト1冊はコレだ。
■出口のシステム現代文ベーシック編
様々な現代文の問題集を使ってみたが、このシステム現代文が個人的には使いやすかった。
偏差値40程度の受験生に「システム現代文バイブル編」を解かせてみたところ、まったく太刀打ちできなかったので、現代文が心配な君は「ベーシック編」から使った方がいいだろう。
このベーシック編に取り組む目的は、現代文の解き方を学ぶこともそうだが、
活字に慣れる
という目的もある。
ハッキリ言って現代文が苦手な生徒は、このベーシック編を解くだけでもかなり骨が折れるだろう。
だから2~3周は解いてみて活字に慣れてほしい。
特に1度読んだ現代文の問題は2度、3度と読み込んでいくにつれて、理解が深まってくる。
この理解の深まりが現代文の成長を実感できる瞬間であり、まさに現代文の実力がついている瞬間なのだ。
まずは徹底して語彙力をつけよう!キーワード集を使って単語を暗記して、毎日意識的に辞書を引こう。
夏休み中のスケジュール
夏休み中は1冊の問題集を解くことだけに専念してほしい。
それはこの1冊だ。
■出口のシステム現代文バイブル編
一度、出口のシリーズを使うと決めたら、他の問題集に浮気せずに出口に絞った方がいい。
さすが論理的思考の得意な人なのか、しっかりと段階別になっているので、ベーシック編を一通り終えた後にバイブル編に進むとスムーズに勉強ができるだろう。
1日中、勉強のできる夏休みなので、辞書を引く時間を長く取って、バイブル編を解いていってほしい。
最初は正答率が低くてもなんら気にする必要はない。むしろすべて間違っていたっていいんだ。
重要なのは解法へのプロセスをしっかりと理解することなのだから。
夏休みの期間は「現代文の解き方」にフォーカスしよう!平行して語彙も覚えよう!
9~12月のスケジュール
この時期はとにかく多く問題をこなす。
1冊核となる問題集を使い、後は実践的な問題をたくさん解いていく期間だ。
核となる問題集はいわずもがな、出口だ。
■出口のシステム現代文
私は出口の手先でもなんでもないが、1つの問題集を決めたら、段階別にこなしていくのが一番良い。
実戦的な私立大学の問題を解いていくものとして、システム現代文私大対策編を使っていこう。
この問題集は焦って解く必要はない。9~10月と、約2ヶ月程度かけながらゆっくりと解いていってほしい。
1周終わってしまったら、2~3周はしてみてほしい。最初は、文を読んでもちんぷんかんぷんだった内容も徐々に内容が頭に入ってくる感覚を味わうことができるからだ。
ここまで現代文をこなせば君の国語力は相当ついてきているだろう。
しかし、まだまだ安心してはいけない。
ここから問題を数多く解いていくのだ。
MARCHレベルから早慶レベルの問題に挑戦してほしい。
具体的には11~12月の2ヶ月間を使って、実践問題演習に取り掛かってほしい。
この2冊が適切なレベルとなっているだろう。
■入試現代文へのアクセス発展編
この問題集はレベル的にはMARCHレベルの問題集だ。出口の私大対策編より少し難しいと感じる生徒も多いかもしれない。
しかし、字引きを怠らずにどんどん問題を解いていってほしい。
ここからは量勝負だ。
■入試現代文へのアクセス完成編
こちらは早慶レベルの問題集だ。ハッキリ言って難しい。
文章も1度読んだだけではすぐに頭に入ってこないものばかりなので、何度も何度も読んでみるといいだろう。
おまけ
■新聞の一面
私は、現役生の時に毎朝新聞の一面だけでも読むようにしていた。
現代文や英語の長文を勉強していくと感じる人もいるかもしれないが、
「1日でも文を読まないと衰える」
錯角に陥る。いや、本当にそうなのかもしれない。
スラスラ読めていたのに、急につっかえてしまう感覚に陥るのを防ぐため、毎朝新聞の一面を読んでから登校するようにしていた。
3~4ヶ月続けるだけでも相当な文章量になるため是非試してみてほしい。
この期間はとにかく量を解こう!なんだんかんだ言ってもやらなければ現代文はできない。たくさん文章を読もう。
1~2月のスケジュール
お馴染みの赤本に挑戦の期間だ。
何度も言うが、赤本はレベルの低い大学から順に解いていってほしい。
MARCHレベルで8割。早稲田レベルで7割ほど解けていれば難関大学の合格は見えてきた。
まとめ
現代文が苦手な生徒にとって、現代文は勉強しづらい。
理由は語彙力が無いことと活字になれていないからだ。
まずは現代文キーワードを暗記しながら、国語辞典を引く癖をつけ、語彙力を増やしていこう。
平行してレベル別の現代文問題集を簡単な内容から徐々に難しくしていけば「国語」ができるようになってくる。
ハッキリ言おう。
国語は量なのだ。しかし順番を間違えてはいけない。語彙→レベル別問題の順で徐々に徐々に力をつけていく。
それが重要なのだ。
最近のコメント