この日本史B、つまり社会という教科ほど、先生によって「勉強方法」の異なる教科はないだろう。
その理由は、アドバイスを求める先生や講師が受験した大学の特徴や、勉強方法によって大きく異なってくるからだ。
教科書重視でとにかく流れを掴ませる講師
用語重視でとにかく細かい用語を暗記させる講師
その先生や講師によって、重点を置くべきポイントが大きく変わってくる。
また、生徒によっても、
教科書や実況中継などの解説をずらずら読んでいって頭に入ってしまう要領の良い子、読解力のある子、日本史に興味のある子もいれば、
解説を読んでいるだけだと理解ができない子、忘れてしまう子、頭に入らない子などなどがいる。
だから、どの勉強方法が正しいか?ではなく、どの勉強方法が自分にとって合っているのか?
という基準でカスタマイズしていってほしい。
当然、用語の暗記と流れの理解は平行して学習していくに越したことはないが、見極められないと無駄な勉強時間を割いてしまうことになる。
ちなみに、現役時代の私は完全に後者で、教科書を読んでいるだけでは覚えられないタイプだった。
流れを掴むのも苦手だったので、最初にとにかく用語の暗記を進め、その後に流れを掴んでいくスタイルだったのだ。
日本史Bの勉強はどちらがいいのか?
大別すると、上記の2つのスタイルに分かれると思うが、私は以下のように考えている。
○国公立受験生
教科書重視、流れ重視、論述重視
○難関私立受験生
一問一答重視、用語重視
狙う大学によって勉強方法が変わってくるのが日本史Bの特徴だろう。
だから指示を仰ぐ先生が、国公立出身なのか、難関私立出身なのか、現在どういった生徒をメインに指導しているのか?をしっかりと見極めてアドバイスを求めた方がいい。
そして自分の勉強のタイプもしっかりと理解すべきだ。
今回は国公立を志望している受験生に向けて記事を書く。
国公立が第一志望の場合
国公立の受験生は前期の日本史試験で主に論述問題が出題される。
例えば、一橋大学の入試問題では以下のような問題が出題される。
問1 下線部(1)に関して、重要産業統制法が制定された経済的背景について説明しなさい。
問2 下線部(2)に関して、日本が太平洋戦争の開戦を最終的に決定する契機となったアメリカの動きについて説明しなさい。
問3 下線部(3)に関して、GHQが天皇を戦犯容疑者に指定しなかった理由について説明しなさい。
問4 下線部(4)に関して、安保闘争が1960年5月から6月にかけて高揚した理由について説明しなさい。
出典:野澤道生の日本史ノート
上記のように、国公立の前期の試験では主に説明する問題がほとんどなので
背景、流れ、理由
がしっかりと理解できて、人に教えることができるレベルでなければならない。
しかも生半可の知識ではなく、どこが出題されるかもわからないので、全時代の全背景を事細かに理解していく必要がある。もちろん予備校で論述の授業を選択したり、Z会の通信添削にて論述の問題を受講すれば特化した勉強はできる。
しかし、教科書や実況中継などの問題集を熟読していって理解する必要は絶対に出てくるだろう。
そこで、以下の問題集を使って学習していこう。
■石川日本史B実況中継
もし、まだ日本史に自信が無い場合はまず流れを掴んでいく必要がある。
教科書でももちろんOKだが、実況中継は平素な文で読みやすく書いてあるので「読みやすい」と受験生の間でも評判だ。読み物として理解していくには良い教材だろう。理想を言えば、高校1~2年生の間に数回読んでおくと高校3年生から非常に有利なのだが、高校3年生から本格的に取り組む場合でも1日1単元など決めてガリガリ読んでいくと良いだろう。
上記の実況中継は流れを掴む、日本史の出来事を理解するためのものなので、
論述の問題集も合わせて使用する。論述の問題集は2~3冊は使用すべきだろう。
■考える日本史論述
こちらの問題集は、論述問題が39題+参考問題7題+予想問題がついている。
■日本史論述問題集
言わずと知れた山川の問題集だ。論述の問題数が豊富に掲載されている。
論述問題集の使い方
論述問題集は、1問1問解いて記述していっても、ハッキリ言って解けない。
日本史の流れを掴んだ程度では、問題形式をずらずら解いていくのは不可能だろう。
そこで、横に解答を拡げて、解答を読みながら覚えていってしまうのが一番早いだろう。実際は、ほとんどの受験生がそのように勉強しているかもしれない。
問題を読む → 解答を熟読する → そらんじて自分で論述できるようにする
この流れを意識して、まずは1~2冊、頭に入れてしまう。
実はこれだけでもかなり論述問題が解けるようになるだろう。それに合わせて実況中継や、教科書、資料集を横に置いて、再度深く理解していくと良い。
実況中継をすべて読み終わってから論述に進むのも時間効率が悪いので、
近世、など1つの時代を実況中継にて流れを確認したら、論述問題に進むと良いだろう。
入試では、次代を横断しての問題が出題されるのが、『考える日本史論述』では時代ごとの論述問題の練習ができるので、時代ごとに切っていくと飽きずに勉強ができるだろう。
最後に以下の問題集で仕上げをしてほしい。
■日本史論述研究
こちらの問題集は実際に解きながら、実力を計っていくものとして使ってほしい。
最終的には解説と模範解答をしっかりと熟読して、そらんじて答えられるレベルにしてほしいので1ヶ月くらいはかかるだろう。
まとめ
国公立志望の受験生はまず日本史の流れを理解してほしい。
教科書や実況中継などを使って、通史をしっかりと理解する。
その上で、論述問題集に突入するわけだが、論述問題集はいきなり解答を見てしまって構わらない。そらんじて論述できるような訓練をひたすら1~2冊やってほしい。
最後に実際に問題形式で論述問題集を解いてみれば、自分の実力がわかってくるだろう。
実況中継を買い揃える人は、1日30分などと決めて、ずらずら毎日読んでも良いあろう。
日本史を極めるブログ

こちらのブログは以下のメリットがあります。
・話し言葉で書いてある。
・1日10分読むだけで良い。
・常に日本史の質問に答えてくれる。
是非、ご活用ください。
筑波大学文系を志望しているものです。
宅浪で指導者がいない状況なのですが、日本史二次の4題の論述問題があります。
日本史の論述問題というのは、誰かに添削してもらうべきでしょうか?
添削が必須であれば、Z会などに入会してみようと思います。
個人的にですが、添削はつけなくてもいいと思っています。
あくまで個人的にですが。
というのも、通信添削などは金額も結構しますし、提出してから戻ってくるまでの期間を考えると
あまり良くないかなと。翌日くらいに添削してくれるような塾だったら良いと思いますが。
筑波の日本史論述問題は、語彙指定が多いので、『用語集』を使って、論述によく出題される内容の用語を
しっかり理解することと。
結局、論述問題もほぼ暗記ですから。
論述の問題集の模範解答をバシバシ読んで、自分で書けるようにするトレーニングを積む方が
添削してもらうより有意義だと思いますね。
論述ができるようになった受験生をたくさん見てきましたが。
結局、用語自体への知識が深いこと(バブル経済ってどーゆーこと?と説明できるくらい)と、
論述問題集の模範解答をそらんじて書けるトレーニングをとにかくやっていることですね。